学校の先生の失踪、意外な所で意外な人との再会

            

高校生の時に学校の先生が失踪しました。

芸術家肌でちょっと変わった感じの先生だったので、様々な噂が流れていましたが、結局失踪扱いとなったようでした。

私自身、その先生と話したことはほとんどありませんでしたが、学校祭の催しでクラッシック音楽を使用するために、その先生の許可を得てCDを借りた時に、曲を聞きながら急に歌ったり踊りだしたりしたので個性的な人だな、と思ったくらいでした。

ですから、その先生が失踪して間もなくすぐに忘れていたと言ってもいいくらいだったのですが、意外なところからその先生の所在を知ることになったのです。

その時、すでに卒業していましたが、従姉妹も同じ高校に通っていました。

従姉妹のおじさんは個人で電気店を営んでおり、ちょっと昔風の町の電気屋さんな感じで、新商品の販売から修理までいつも営業でいろいろなお宅をまわっていました。

ある日、おじさんがうちに来て「○○先生ってどうしてる?」と聞いてきました。

接点があまり無かったこともあり、、失踪から約半年、その先生のことはすっかり忘れていました。

「そう言えば失踪したきりだったと思うけど」と答えると、おじさんが「実は先週会ったんだ」と言うのです。

その時はじめて知ったのですが、従姉妹が在学中にその先生が担任だったことがあったそうなのです。

従姉妹はとても病弱で、1年の留学を余儀なくされ、そういった関係で、当時担任だった先生とおじさんは何度も会って話し合いをしていたそうです。

おじさんのお得意様のお嬢さんが地方都市で暮らしていて、その家の家電商品を一式おじさんのお店で揃えたそうなのですが、修理に呼ばれてお嬢さんのお宅を伺ったところ、その先生が家にいた、というわけです。

先生の失踪事件のことは、営業先で聞いて事情は知っていたそうなのですが、それにしても思いがけない場所での再会に、おじさんもかなり驚いたそうです。

先生もおじさんのことに気が付いたようで、かなりバツの悪そうな感じだったそうですが、おじさんの帰り際に「言わないで欲しい」と口止めしてきたそうです。

おじさんはお得意様のこともあるし、大ごとにする気はもちろん無かったようですが、「ちゃんとされた方がいいんじゃないんですか」とだけ言ったそうです。

それから間もなく、失踪していた先生が学校に来て、正式に辞職することになったと噂で聞きました。

その後、お得意様のお嬢さんとどうなったのか、おじさんがどうしたのかは、当時高校生だった私には聞かされませんでしたが、それにしても、意外な所で意外な人が出会うものだと思いました。

まさかの人の繋がりによって、いつどこで誰が、急にいなくなった人々に出会うか、本当に分からないものだと思い知らされた出来事でした。

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