お客様の旦那様が異国の地で失踪人

            

これは私が海外支店の旅行代理店で勤めていた時の話です。毎日のように海外旅行に訪れるお客様たちの対応に追われていた私はその週に、たまたま緊急連絡先の当番でした。

その当番とは、会社の携帯を持たせられ現地に旅行に来ているすべてのお客様からの緊急の際の連絡を24時間体制で対応するというものでした。そして、いまにも後にもこれほど慌てふためいた事件が起きたのは、丁度一年のピークの日本の夏休みの時期だったと思います。
毎日のように、緊急なのかそれ!という連絡を受けていた矢先に、あるお客さんから、主人とはぐれてしまって見つからないんですとのこと状況を確認し、再度思い当たるところを探してもらいました。
それから30分まだ見つからないとのこと、再度色々と質問をしたところ、言いにくそうに実は旦那少しアルツハイマーは入っているんですとのことでした。奥様のことを覚えていないというレベルではないとのことでしたが、年齢70近いアルツハイマーが入っている英語ができない日本人男性が異国の地で迷子です。それから、数時間たってもやはり見つからないとのこと明日の夜便で日本に帰る予定のお客様、それどころではなくなってしまいました。
そして、その奥様のいる現場へ他のスタッフに合流させ再度捜索しましたが、とうとう夕方になり暗くなってこのままではまずいとのこと、部長の最終判断を仰ぎ警察へ届け出を出しました。滞在先のホテルにも事情を説明し、ホテルスタッフにその旦那さんの写真と迷子になった際の格好を共有し、その夜は捜索中断し翌日の早朝から再度捜索開始となりました。
そして、その日も見つからずこの先不安になっていた翌日に、お客様滞在先のホテルのマネーネージャーより、あるホテルスタッフがバスで迷子になっているお客様を発見し名前を聞いたところ、そうだとポジティブな返事をしたのでそのまま彼をホテルに連れ奥様に合わせたところ旦那さんだったとのことでした。
やはりアルツハイマーが進行していたようで、奥様と再開した際に色々と質問したけれども本人どうしてそうなったか思い出せないとのことでした。家族の方が少しでもアルツハイマーと診断されている場合には旅行前に旅行代理店に報告しておいてくださると万が一のときの対応がもう少しスムーズに出来るかなと思いました。しかし、失踪したお客様が見つかるまで本当に寝れませんでした。本人は悪気があるわけではないので、周りが早めに察知したあげられるとベストです。

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